ECAM23120 カフェ用エスプレッソの設定
今回はデロンギの大ヒット全自動エスプレッソマシンECAM23120BNを実際のコーヒースタンドで使用される調整をしていきます。
「家庭用の全自動エスプレッソマシンじゃカフェの味は出せないでしょ?」と思われる方も多いと思いますが、コーヒー専門店や本格イタリアンバールの数百万円するマシンの味が出せるとは言わないですが、コーヒーショップで充分提供可能な味わいは作れます!
今回は懇意にしているコーヒースタンドさんが長年使ってきた同マシンの買い替えにつきこちらで調整させて頂くことになったので、新品未開封状態からショップで使えるまでの設定を公開していきます。
ショップでメインに使用されるメニューはカフェラテなので、ミルクに負けない濃厚なエスプレッソが抽出出来る設定を目指します。
それでは初期設定のエスプレッソの抽出の様子を見てみましょう。
安心安定のマイルドエスプレッソですね 笑
決して美味しくないというわけでは無いのですが、カフェラテのベースとしては薄いので、濃厚な味わいになるように仕上げていきます。
多少の濃度は豆量で調整できますが今回はガラッと味を変えるのでグラインダー設定を行います。
購入時は1〜7の数字で5番設定になっているはずなので、これを小さい数字に変更していきます。
1に近いほうが濃く、7に近いほうが軽い味わいになります。
今回は3番設定で調整します。 グラインダーの設定時に注意点が2つあり、
①グラインダーが作動しているときにゆっくり回す。
グラインダー非作動時、いわゆる豆を挟み込んでいる状態でも回るのですが、これはかなりマシンに負担が掛かるのでNGです。 ヤワな作りではないのですぐに壊れるということはないですが、かなり寿命縮みます。 自転車のギアを走行中でなく静止時に変更すると故障の原因になるのをイメージして頂ければ。
※グラインダーも自転車も静止時に変更出来るタイプもありますが、このマシンではNG
豆が全く入っていない状態ならそのまま回せなくはないですが、基本はグラインダー動作時に動かしたほうが良いでしょう。
②挽目を変更したら最低3杯はその設定で抽出する。
グラインダーを回せば当然そこから新設定で挽いてくれようとはするのですが、最初の3杯は前回までの大きさの粉が混ざってしまっている状態なのと、3杯くらい抽出しないと内部のプログラム的に本来の挽き時間になってなかったりするので、3杯目までの抽出は参考外です。
ここで抽出後の粉の状態を比べてみます。
こちらは、5番及び変更後3杯目までの抽出カスです。
粉の粒度が粗いので排出後に崩れてしまってます。
こちらは3番設定に変更後4杯目の抽出カスです。
しっかりとコーヒーケーキと呼ばれる状態になっていますね!
ただ[しっかり固まっていれば美味しい!]と断言出来るわけではないので、一つの目安として参考にしてください。
とくにブレンドされたコーヒー豆は種類によっては固い豆、柔らかい豆、大きい豆、小さい豆が混在しているので崩れたから薄いというわけでもありません。
それでは調整前のエスプレッソと調整後のエスプレッソを比べてみましょう。
調整前 グラインダー設定5番
調整後 グラインダー設定3番
だいぶエスプレッソを覆うクレマにハッキリとした濃さが出てきました!
ここまでは少々古くなった豆で調整していたので、ここから実際にショップで使用するブレンドで抽出テストを行います。
鮮度が最高なので綺麗で美味しそうなエスプレッソが抽出されました!
ただ8オンスのカップ(240ml)で使用されるとのことで、もう少しエスプレッソの量を減らして濃密にします。
エスプレッソの量設定も長押しで簡単に行えます。
こちらのエスプレッソで8オンスのカップでカフェラテを作ってみました。
ECAM23120のスチームはお世辞にも強いとは言えないので家庭で楽しむには充分なカフェラテになりました。
今回のコーヒースタンドではスチームは100V電源最強クラスのROCKETのスチームを使われているので、かなりクオリティの高いカフェラテが期待出来ます。
今回のエスプレッソをベースにアイスカフェラテやブレンドコーヒーとして提供されているアメリカーノもこの1台で作れるようになりました!
ここまで作れて購入時は約7万円なので、業務用マシンの修理代より安いくらいですね。
お店でデロンギの全自動を使用されている方でお味に不満のある方がいらっしゃったらアドバイス出来ると思いますので、お気軽にお問い合わせフォームからご相談下さいませ。