国産メーカーの全自動エスプレッソマシンは？

by 大河内真琴 2021年8月13日

全自動エスプレッソマシンを検討中の方で、「そういえば国産のメーカーは作ってないの？」と思われる方も多いかと思いますが、結論から先に言ってしまうと現時点ではありません。

コーヒーメーカーという広い括りであれば、パナソニック・象印・TIGER・東芝等のコーヒーメーカーはたくさん出回っており、現在は製造していないものの日立やSHARPも過去は売っていました。

現在はコーヒーメーカー全体としては若干頭打ちの市場ではありますが、豆から挽ける全自動のコーヒーマシンというジャンルは右肩上がりで伸びており、大手に限らず流行に敏感な中小メーカーですら製造していないというのはちゃんと理由があります。

大きな理由の一つが国内メーカーにはエスプレッソマシンのノウハウが無いというところで単純に作れないというシンプルな理由で、例えば世界トップのデロンギ社は国内のモデルだけで累計30種類近く販売しており、世界中で販売されているマシンを合計したら100種類・・では済まなそうほど製造しています。

また、他社のブランドで出ているマシンも製造はデロンギ社が行っているという製品も数多く、他社の追随を許さないほど技術力は高いと思います。

少し昔ですがASCIIの記事でその部分に触れている記事がありますので紹介します。　https://weekly.ascii.jp/elem/000/002/634/2634110/?r=1

現在ヨーロッパだけでもエスプレッソマシンを製造している会社は数百社あるとも言われているので、これは完全に文化の違いと言えるでしょう。

とは言え世界でも屈指の技術力を持つ日本メーカーなら作れるでしょ？とも考えられるのですが、おそらく本気を出せば作ることは出来るのではないでしょうか。

ただ現実的には開発費・工場ライン・部品の調達諸々考えるとエントリーモデルのようなマシンでもおそらく20万円以下で市場に出すことは難しく、洗濯機や冷蔵庫のように必ず一家に一台という家電でも無いので、ブランドだけで販売しても勝機は無く、採算が合わないというのも大きな理由かと思われます。

ただ将来的な話をすれば、業績好調による吸収合併でエスプレッソマシンの製造をしているメーカーを取り込み、国産メーカーブランドで販売することはありえない話ではないかなと思います。